長いようであっという間だった夏休みももうすぐ終わり・・・。
学生の皆さんは、新学期が始まるとすぐテスト期間に入るのではないでしょうか?
「新学期最初のテスト、少しでも成績を上げたい」
「夏休み勉強を頑張ったことを証明したい」
そのために、睡眠時間を削って徹夜で勉強する方も多いはず。
特に暗記教科の社会や英単語を覚えるため、深夜に単語帳を開いている人もいるでしょう。
ですが、その方法間違っているんです。
睡眠時間を削ると、今まで勉強していたことがほとんど無駄になってしまいます!
今回は、
・睡眠と記憶ってどう関係するの?
・記憶ってどう定着するの?
・効率の良い方法ってあるの?
そんな疑問にお答えしていきます!
そもそもなんで、徹夜したいと思うの?
人は、「人生の3分の1を睡眠にあてる」といいます。
では、なぜ睡眠をおろそかにし、徹夜をしてしまうのでしょうか?
それは、「達成感を味わいたいから」です。
これだけ勉強したんだから大丈夫!
徹夜してまで勉強した自分偉い!
なんて考えませんか?
人間は自分が辛く、苦しい思いをしたとき、その辛さが無意味ではなかったと都合よく思い込む心理が働きます。
脳を騙し、結果睡眠も必要ないと思い込んでしまうんですね。
結果、徹夜しようと思ってしまうのです・・・。
睡眠と記憶ってどう関係するの?
徹夜したくないけど、勉強しないと・・・。
そんな考えが残っている人は、睡眠の大切さに気付いていないはず。
では、睡眠は記憶にどんな良い効果を働きかけるのでしょうか?
記憶を固定し、いらない情報を消す
睡眠には「記憶の固定」という重要な働きがあります。
記憶の固定とは、日中に勉強したことや考えたこと、体験を忘れないように脳へ定着させること。
その中には、自分にはいらない情報も含まれていますね。
「今日は電車を10分待った」なんて毎日ずっと覚えていたら、脳がパンパンになってしまいます。
睡眠中の脳は、1日の情報から大切なものを選び、いらないものを消していきます。
この結果、次の日以降の作業効率をアップさせるのです。
脳をクールダウンし、学習効率を上げる
睡眠によって脳の疲労回復ができたかどうかも、学習効果に関わってきます。
1日中活動すると、どうしても疲れます。
そこでさらに勉強して寝不足になると、頭もスッキリせずに次の日を迎えることになるんです。
疲労やストレスが十分な睡眠によってリセットされると、脳のパフォーマンスが回復し、翌日の学習効率が上がります!
イライラも解消されますよ。
記憶と関係が深い!?レム睡眠・ノンレム睡眠って何?
記憶力をアップさせるために、睡眠が欠かせないことはお分かりいただけたでしょうか?
となれば、睡眠の何が記憶力の鍵を握るのでしょう?
それは、「レム睡眠・ノンレム睡眠」!
睡眠は、この2つの繰り返しで成り立ち、時間が経つとともに浅い眠りに移っていきます。
その中で、記憶が整理されて定着していくのです。
睡眠にとっては欠かせない2つの睡眠について見てみましょう。
ノンレム睡眠
脳も体も眠っている状態を「ノンレム睡眠」と言います。
眠りにつくと、最初にノンレム睡眠が訪れます。最初の90分は、睡眠全体でもっとも深い眠りに。
仮眠を取ろうとしたのに、ついつい深い眠りになって、
人から起こされた時、すごく頭がぼーっとしたことはありませんか?
これは、ノンレム睡眠中に起こされた証拠なんですね。
また、浅いか深いかでも違いがあるんです。
就寝90分後の深いノンレム睡眠:脳を休め、嫌な記憶を消去する役割。
就寝直後と明け方の浅いノンレム睡眠:意識しなくても覚えられる記憶の固定。
特に深いノンレム睡眠の間に、脳の記憶や空間学習能力に関わる脳の器官「海馬」から記憶を保存する「大脳皮質」に情報が移動するんです。
レム睡眠
脳は起きていて、身体が眠っている睡眠を「レム睡眠」と言います。
明け方になるほど出てくる時間が多くなり、浅くて長い夜明けのレム睡眠時に目覚めるのが自然な流れ。
レム睡眠は、いつ・どこで・何をしたかなどの記憶を固定してくれます。
そのため新しい経験をした日は、レム睡眠が長くなるんですね。
体が眠っている間に処理しなければいけない仕事がたくさんあるんです。
ノンレム睡眠とレム睡眠は数セットを繰り返す
2つの睡眠は、通常、1回の眠りの間に約90分の周期で、4?6回繰り返されています。
睡眠の約75%はノンレム睡眠で、残り約25%がレム睡眠。
時間が経つとともに浅い眠りに変わって行く中で、記憶が整理され、定着していきます。
睡眠が進むほどレム睡眠の割合が多くなり、脳を覚醒させる準備に入っていくんですね。
つまり、勉強した情報と、いらない情報を区別してくれるのが睡眠なのです。
睡眠の3分の1を占めるノンレム睡眠。記憶の定着には欠かせません!
記憶の定着に大事な睡眠方法って?
睡眠が大切なことは分かったけど、やっぱり少しでも勉強に時間をかけたい!
そんな方もいるでしょう。
そこで、効率良く睡眠の質を高める方法を3点お教えします!
午前0時までには寝よう!
記憶が脳に定着するのは、勉強してすぐ寝た直後。
脳に、歯磨きしなきゃ!明日の準備しなきゃ!と定着する行為を止めさせる行動はなるべく控えましょう。
寝る直前に色々動くと、せっかく眠かったのに目が冴えちゃった!なんてことになった方もいるのでは?
そうならないためにも、すぐに布団に入る準備をしておきましょう。
そして、午前0時までには寝ましょう。
午前2時から睡眠をとった場合、記憶があまり定着していないことがさまざまな実験で分かっているそうです。
睡眠をしっかりとって、朝起きた後に復習をすれば、効果バツグン!
枕の横には本を置かない
勉強した直後に寝るのは効果的ですが、枕の横に参考書を置いて寝るのはNGです!
眠りが「レム睡眠」に切り替わる時、無意識に身体の周りに注意が向けられているんです。
この時に、本や携帯が近くに置いてあるとどうでしょう?
注意力が散漫し、質の良い睡眠も手に入りません。
「起きてすぐに勉強できるように、枕元に置いておこう。すぐに勉強もできるし、遅れた分も取り戻せるぞ」
なんて考えていたら、次の日起きて楽しく1日過ごすことも考えにくくなってしまうのです。
布団から、なるべく遠くに置くようにしましょう。
午後3時までに15~20分仮眠をする
仮眠なんて、取ってられない!そんな方もいるはず。
しかし、15~20分程度の仮眠は、脳の疲労を取るにはベストなんです。
午後の活動もより活発になりますよ。
ここで注意なのが、午後3時以降は仮眠をとらないこと。
体内時計のリズムが崩れ、夜になかなか寝つけなくなってしまうことがあります。
また、20分以上眠ってしまうと、深い眠りに入ってしまい、すっきり目覚められなくなってしまいます。
・アラームをセットする
・仮眠を取る前にカフェイン入りの飲み物を飲む
・布団に横にならずに、ソファーなどに座って眠る
など、時間を守って寝てみましょう。
まとめ
学校や塾のテストの成績はなるべく良くしたい…
睡眠も削って勉強しているのに、成績が上がらない。
そんな悩みから、ついつい頑張り過ぎてはいませんか?
そんな時こそ、寝ることが大切なんです!
睡眠の質を高めて眠ると、勉強もはかどり、記憶もしっかり定着します。
是非、寝ることに目を向けて、夏休み明けのテストに打ち勝ちましょう!
丸山 晴美(睡眠改善インストラクター)
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