ナイアシンとは
ナイアシンは水に溶ける水溶性ビタミンのひとつで、体内のビタミンB群の中で最も多く存在するビタミンです。
ビタミンB群は、体の代謝に欠かせない栄養素として全身で働いています。
ナイアシンは野菜などの植物性食品や肉・魚などの動物性食品に含まれています。
ナイアシンはニコチン酸とニコチンアミドの総称ですが、体内でトリプトファンという必須アミノ酸からも合成することができ、私たちはこれらをナイアシンとして利用しています。
食品では特にレバー、魚、肉などに多く含まれています。これらの食品にはたんぱく質も豊富なため、トリプトファンも同時に摂取できることになります。ナイアシンは、糖質や脂質を燃やしてエネルギーを作り出すときや、二日酔いの原因となるアルコールを分解するときに働く「酵素」を助ける「補酵素」としてはたらきます。
皮膚や粘膜の健康維持を助けるほか、脳神経を正常に働かせる効果もあります。
ナイアシンの健康効果
・粘膜や皮膚を健康に保つ効果・二日酔いを防ぐ効果・血行を促進する効果
1・粘膜や皮膚を健康に保つ効果・・・
ナイアシンがNADに変化すると、体内のほかの物質と結びつき、NADP (ニコチンアミド・アデニン・ジヌクレオチドリン酸)となります。
NADPは、主に脂肪酸が合成されるときに水素を供給する役割を持ち、そのほかNADPはDNAやホルモンをつくることにも関わっています。
この働きによって細胞の生まれ変わりをサポートします。特に生まれ変わりの活発な皮膚の粘膜の健康維持に役立ちます。
ホルモンでは特に、性ホルモンを作る手助けをして正常な発育を促進します。
2・二日酔いを防ぐ効果
ナイアシンは、二日酔いを防ぐ働きがあります。
お酒のアルコール分は腸で吸収され、血液によって肝臓に運ばれます。肝臓でアルコールは「アルコール脱水素 酵素」によってアセトアルデヒド [※1]に分解され、さらにアセトアルデヒドは「アセトアルデヒド脱水酵素」によって酢酸に分解・解毒されます。
その時に働くアルコール分解酵素も、 NADを補酵素として使用します。お酒をたくさん飲んだ時ほどナイアシンが消費されるため、ナイアシンが不足すると、体内にアセトアルデヒドが残り結果 二日酔いや、頭痛・吐き気などの原因となります。
3・血行を促進する効果
ナイアシンは毛細血管を広げる作用があるため、血行がよくなり冷え・肩こり・頭痛を改善し、脳神経の働きをよくします。
また医薬的に薬としても用いられている手法として、大量にナイアシンを投与することで
血液中のコレステロールや中性脂肪を減らし動脈硬化などの脂質異常症 [※2]を防ぐ働きもあります。
最近ではナイアシンの大量摂取が糖質の代謝を妨げるという報告もあり、検討が続けられています。
[※1:アセトアルデヒドとは、アルコールのもとであるエタノールが酸化されてできる物質で、肝機能にとって障害となります。]
[※2:脂質異常症とは、血液中の脂質が異常に増えている状態で、動脈硬化などの原因となります。]
ナイアシンが含まれる食材
- かつお
- さば
- たらこ
- まぐろ
- レバー
- 鶏肉
- きのこ類
- 緑黄色野菜
- 小麦胚芽
- 豆類
こんな方に
- 疲れが溜まりやすい方
- 肌荒れが気になる方
- 口内炎が気になる方
- 体が冷えやすい方
- 動脈硬化を予防したい方
- お酒をよく飲む方
睡眠とナイアシン
睡眠に重要なメラトニンの多くはセロトニンから合成されています。
ナイアシンはセロトニンを作るための環境作りにも欠かせません。なぜならトリプトファン、
ビタミンB6とセロトニンの材料がそろっても、ナイアシンが足りないと身体はセロトニンではなく
ナイアシンを作ってしまうのです。そこであらかじめ、食べ物でナイアシンを補う必要があります。
さらにナイアシンは、糖質・脂質・たんぱく質の代謝に欠かせない物質です。
ナイアシンは睡眠ホルモンを同時に正常化します。
うつの時には睡眠にも問題があることが多いのですが、ナイアシンは自然のリズムを取り戻し睡眠を改善する効果もあるのです。
美容面でもナイアシンの血管拡張作用による血行促進でお肌のめぐりも良くなると言われておりますので、
冷え性改善にも効果発揮してくれるため、特にこの時期からの摂取がおすすめです★
<引用>
http://www.glico.co.jp/navi/dic/dic_21.html
http://www.wakasanohimitsu.jp/seibun/niacin/
http://nishizawa-orthomolecular.blogspot.jp/2011/10/blog-post_10.html
長行司 季子(睡眠改善インストラクター)
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