寝ながら痩せる?睡眠で効率よくヤセ体質に!

今回は、睡眠とダイエットの深い関係についてです。
一見、睡眠とダイエットはあまり関係性のないものに感じられる方もいるかと思います。

睡眠時間の違いで、体重の減り方と質がどのように変化をするかを調べた米国の研究があり、コロンビア大学が約2万人を調査した結果、4時間以下の睡眠しか取らない人は、7時間以上の十分な睡眠を取っている人に比べ、73%も肥満になりやすいという報告がされました。また5時間では50%、6時間の時は23%と、睡眠と肥満の関係がはっきりと証明されました。

なぜ睡眠時間が短いと太りやすくなるのでしょうか。

人は食事の際、満腹感を感じると食べることをやめます。
この満腹感を感じるには、脂肪組織から作られる『レプチン』というホルモンが脳の満腹中枢を刺激する必要があります。逆に、『グレリン』という胃から作られるホルモンは食欲を増進させる働きをすることが分かっています。スタンフォード大学、シカゴ大学など複数の研究機関で行われた実験により、この食欲にかかわる2つのホルモンは睡眠と密接な関係がある事が分かりました。
『睡眠不足になると食欲を抑える働きのあるレプチンは減少し、逆に食欲を増すグレリンが増える』事が実験で証明されたのです。

さらにシカゴ大学の研究には続きがあり、グレリンが増加すると、フライドポテトやハンバーガーのような高カロリーの食事を好む傾向が顕著に現れました。
つまり『寝不足になっただけで食事の量が増え、さらに太りやすい食事を欲する』ということが分かりました。
人の体の中で最も多くのエネルギー消費をするのは『脳』です。その消費量は体全体のエネルギーの20%にも相当します。
また体温を保ったり、心臓を動かしたりと、体を動かしていない時に消費される基礎代謝エネルギーの存在も、ダイエットを語るうえで外すことはできません。
当然、寝ている間も脳は活動を続けており、体は代謝を繰り返しています。

睡眠時のエネルギーを食事で取る事は出来ないため、足りないエネルギーは体内に蓄えられたブドウ糖や脂肪をエネルギーに変換して補う事になります。この時のエネルギーの変換を行うのが『コルチゾール』というホルモンの一種ですが、このホルモンは目覚める前、寝ている間に減ったエネルギーを作り出し、体が起きて活動する準備として、夜明け頃に最も多く分泌されます。
しかし、寝ていないのであれば、このエネルギーをわざわざ作り出す必要はなくなり、コルチゾールが分泌されることもなく、結果的に脂肪が燃える機会も失われます。
また古くなった細胞は、睡眠時に成長ホルモンによって新しい細胞へと作り変えられています。
新しく細胞を作るのですから、そこにはエネルギーを必要とします。
また古い細胞と比べた時、基礎代謝量も新しい細胞の方が多いでしょう。

この成長ホルモンが分泌されるのは『睡眠から約2時間後の深い睡眠状態の時』とされております。
またホルモンの分泌が多いゴールデンタイムは『22時~2時の間』。
つまり寝不足では、成長ホルモンが分泌されず、古い細胞が修復されることもないという事になります。
これまでの事を考えると、睡眠不足の体には次のような変化が見られます。

  • 高カロリーな食事を好み、我慢できず、限界が分からないので食事を食べ過ぎる。
  • コルチゾールが出ないので、脂肪は燃えないし、減らせない。
  • 古い細胞ばかりで、基礎代謝も減る一方。
  • 大量のエネルギーを溜めこみ、その全てが脂肪に変わる。

これでは、睡眠時間4時間の人が73%も肥満になりやすいとする研究結果にも納得です。
この肥満スパイラルを抜け出すには、まずは十分な睡眠を取る事から始めることが大切です。

食欲をコントロールする『グレリン』と『レプチン』のホルモンは、2日間連続して10時間の睡眠を取る事で正常値に戻る事が分かっています。
また成長ホルモンの分泌が活発になる時間も分かっていますので、自分の睡眠をそのタイミングに合わせることができれば良いのです。

睡眠不足で崩れるホルモンは、食欲に関係する物だけではなく、体の免疫力が低下する事もよく知られています。また、6時間以下の睡眠を続けていると、その判断力は2日徹夜している人と同じくらいにまで下がるという研究結果もあり、その危険性は飲酒運転をしているのと変わらないという説もあります。

睡眠時間を削る事によるメリットはなく、しっかりとした睡眠を取る事にこそ、多くのメリットがあります。

正しく眠るだけで300カロリーを消費する?

私たちの体は正しく眠ることができるだけで、痩せることが可能です。数字で示すと、寝るだけで毎日300キロカロリーを消費しています。この数字を体重に換算すると、1ヶ月強で1キロという計算になります。
つまり1ヶ月正しい睡眠をとれば、「約1キロ」も痩せることになります。

寝ている時、体はただ休まっているわけではありません。
体の中では「成長ホルモン」が分泌され、疲れた体をリフレッシュする”アンチエイジング”が行われています。その成長ホルモンは脂肪を燃焼し、カロリーの消費を発生させます。 睡眠不足の状態が続くと、この成長ホルモンの分泌が減少し睡眠中のカロリー消費が減ってしまいます。

成長ホルモンの分泌を増やすためには3つのポイントがあります。

1.深夜の「3時」には眠るということ。

人間の体には3つのリズムがあり、24時間周期のサーカディアンリズム、12時間周期のサーカセメディアンリズム、90分周期のウルトラディアンリズムという3種類のリズムがあるそうです。
これらのリズムがちょうど合わさるのが深夜の3時ということで、深夜3時前後は最も深く眠りやすい時間といわれています。

2.眠りはじめの「3時間」はまとめて眠ること。

成長ホルモンは眠った直後の3時間にまとめて分泌され、その後はほとんど分泌されないようです。

3.1日の総睡眠時間は7時間を目指すこと。

最近の研究では肥満予防には7時間睡眠が理想的で、この睡眠時間が5時間、4時間と落ちるにつれて、肥満率は高まってしまうそうです。

ぐっすり眠るためには体を疲れさせると良いのでは?」という方もいますが、確かに、体は疲れていると睡眠を欲します。しかし、眠る直前に腹筋などの激しい運動をするのはNGです。
なぜなら、自律神経の「交感神経」が刺激されてしまうと、せっかく眠ろうとした体が「覚醒」してしまうからです。体が覚醒している状態では、なかなか眠りにつくことはできません。

「交感神経」は本来、「体の活動時や昼間に活発になる神経」で、安静時や夜に活発になる神経は「副交感神経」の方です。「交感神経」と「副交感神経」は両方が活発に動くことはありません。なので寝る前に激しい運動をして「交感神経」を呼び覚ましてしまうと「副交感神経」が動きにくくなり、結果的に自律神経のバランスも崩れてしまいます。

また、寝る前にスマートフォンやパソコンなどの強い光を浴びることは、エスプレッソ2杯分の興奮状態をつくるといわれていますので、睡眠の質を低下させるため控えることをおすすめします。

「人生の3分の1」を占めるといわれる睡眠時間。
しっかりと良い睡眠をとって、ダイエットもできたら得した気持ちになりますね。 ぜひお試しください。

引用: 寝る子はやせる?睡眠とダイエットの深い関係
寝るだけでダイエットできた!睡眠不足を改善して痩せる3つのノウハウ

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長行司 季子(睡眠改善インストラクター)

長行司 季子(睡眠改善インストラクター)

部活に励む息子娘と17歳の老犬の介護に追われるアラフィフ主婦。 スポーツ・教育・ペット・教育 と睡眠 時々美容ネタ。

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睡眠改善インストラクター竹田著書

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