冬季うつ予防対策

過ごしやすい秋が来たと思ったら、あっという間に朝晩冷え込む季節になってきました。
体調はいかがでしょうか? 
 
気分がすぐれない、なんかやる気が出ない・・・。そんな皆さんは「冬季うつ病」になっている危険性が!
 
ですが、冬季うつ病と名前を聞いただけではピンとこない人の方が多いでしょう。
 
今回は、馴染みのないうつ病の症状「冬季うつ病」について、果たして睡眠で改善されるのかお伝えしていきます。
 
 
 

冬はうつになりやすい?冬季うつ病とは

 
そもそも冬季うつ病とは季節性うつ病(季節性気分障害)の一種で、冬だけうつ病になるという病気です。
 
秋が始まる時期に悪化し、新年度を迎える春に治ることが2年以上続く場合、診断されます。
 
ですが、病気自体あまり知られておらず、春になると治ってしまうことから、うつ病と気付かない人も多いのです。
 
つらい症状があるにもかかわらず我慢や放置している方、お心当たりはありませんか?
 
 

何故秋から冬にかけての時期、うつ病が増えるの?

 
なぜ秋から冬にかけての時期に季節性うつ病を発症しやすくなるのでしょうか。
 
実は、日照時間が関係しています。
 
これから徐々に太陽が出ている時間が短くなりますよね。
 
人は明るい太陽の光を浴びると、目から脳に信号が伝わり、脳内で「脳内神経伝達物質」と呼ばれるセロトニンの作用が増えます。
 
すると、メラトニンというホルモンの分泌が抑えられ、体内時計がリセット。睡眠と覚醒のリズムを調整してくれます。
 
そして、約14〜16時間後に再び活発に分泌されて眠気が出てくるのです。
 
ところが、日照不足はセロトニンの作用が弱くなります。
 
脳の活動やメラトニンの分泌も低下し、体が活動モードになりません。
 
結果、冬季うつ病につながってしまうのです。
 
 
 

冬季うつ病にはどんな症状があるの?

 
実際、冬季うつ病にはこんな症状が出ると言われています。
 
✅気分が落ち込む
✅仕事がうまく処理できない
✅疲れやすい
✅体を動かすのがしんどい
✅ 今まで楽しんできたことを楽しめない
✅集中する力が明らかに落ちている
✅いつもより睡眠時間が長く、朝起きられない
✅食欲が湧かない、逆に増加する
✅炭水化物や甘いものを食べる手が止まらない
 
いくつ当てはまりましたか?
 
冬季うつ病の症状は通常のうつ病の症状とほとんど同じ。
 
ですが、うつ病でよく起こる不眠や食欲低下などとは反対に、過眠や過食などの特徴がでます。
 
多く当てはまるほど、冬季うつ病になっている危険性が高いので注意しましょう。
 
 
冬が来る前に睡眠で予防しよう!
 
うつ病が続くと、生活にも支障が出てきます。
 
対処する方法があるなら、ぜひしたいところ。
 
その1番の方法が睡眠の質を高めることです!
 
質を上げるにはどうしたらよいのでしょう?具体的な方法をお伝えします♫
 
 

⑴朝、日光を浴びよう

 
朝起きた時、太陽の光を浴びていますか?
 
徐々に寒くなるこの季節、布団から出られず、気付けば起きる時間を過ぎて、太陽の光を浴びる時間もない!?なんて方も多いでしょう。
 
ですが、目を覚ました直後に太陽の光をしっかり浴びると、眠気が吹き飛ぶだけでなく、夜もぐっすり眠ることにつながります。
 
太陽の光は、眠りに適した体内環境を整えてくれますよ♫
 
 
目が覚める2,500ルクス(一般家庭の昼の室内で300~500ルクス)以上の強い光を毎朝浴びるために、起きた直後にカーテンを開けるように工夫してみましょう。
 
 

⑵朝起きる時間を一定にしよう

 
「いつもより睡眠時間が長くなったり、朝起きられなくなる」のは冬季うつ病の特徴です。
 
ですが、起きる時刻が遅くなると体内のリズムが乱れます。
日中も眠気や体のだるさに襲われ、作業効率が下がってしまうことに。
 
そこで、平日とお休み関係なく、いつも同じ時刻に起きましょう。
身体のリズムが良くなり、活動的に!冬の寒さも乗り切れますよ。
 

⑶高温には注意!体温管理を徹底しよう

 
冬の部屋の寒さに敵わず、寝るときに毛布を2枚、3枚と重ねていませんか?
 
昔から「冷えは万病の元」と考えられ、体が冷えると、『血液』がしっかりと循環しなくなります。
特に、首や肩を冷やしてしまうと、血液と一緒に運ばれる酸素も頭に届きにくいもの。
 
ですが、体温が高過ぎるのも要注意!
 
全身を温めてしまうと、却って暑苦しくなり
目が覚めるので注意が必要。
 
オススメは、足首を布団の外に出して少しだけ冷やす方法です。
 
足の裏には体毛がなく、足首や手動脈と静脈が毛細血管を間に挟まずに直接つながっている「動静脈吻合(どうじょうみゃくふんごう)」という血管構造を持っています。
 
動静脈吻合は熱放散量を調節するのに特化し、体温を冷やすには最適!
 
血液の温度が下がり、血液が体を循環します。
 
全身を温め過ぎずに、少し温かいと思う程度に工夫しましょう。
 
寒さで朝方目を覚まさないためにも、長袖のパジャマの着用、毛布を準備しておくと安心ですね。
 
 

⑷寝る前に、次の日良いことが起きますようにと願ってから寝よう

 
ベッドに入った後、一日を振り返って落ち込んだりしていませんか?
 
眠る前にイヤなことを考えると、脳のストレスになって眠りの質が低下します。その結果、朝の気分もダウン。
 
また、眠る前に考えていたことが夢に出やすいとも言われています。
 
寝る前の3分間だけは、いいことだけを思い浮かべてみましょう。
 
 

⑸簡単な運動を日中取り入れてみよう

 
最近運動をしていますか?
 
寒くて外に出るのがおっくう…。なんて人もいるでしょう。
 
ですが、運動には脳から抗うつ作用のあるホルモンが分泌されると言われています。
 
冬は、スキーやスノーボード、スケートなどのウィンタースポーツがたくさんありますね。
 
屋外で行える運動は、太陽の光を浴びることもできます。
 
シーズンスポーツ以外でもウォーキングやストレッチ、ヨガなどでも身近に取り入れる運動でも大丈夫!
 
体を動かすことで、いい具合に疲労感も出て夜もぐっすり寝ることができますよ。
 
どうしても、運動する時間がない人は日常で積極的に体を動かす工夫をしてみましょう。
 
お風呂や床の掃除など、体全体を動かすようにすると習慣になります。
 
小さなことからコツコツとしていきましょう。
 
  

まとめ

 
いかがでしたか?
 
今年の冬は特に寒さが厳しくなると言われています。
 
冬季うつ病を引き起こすと、体のリズムも乱れ、風邪など体調を崩すことにもつながってしまいます。
 
改善方法に最も効果的なのは、やはり睡眠です。睡眠をおろそかにすると、生活習慣すべてが乱れてしまいます。
 
睡眠の質を整えて、うつ病対策を万全にしましょう!
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丸山 晴美(睡眠改善インストラクター)

丸山 晴美(睡眠改善インストラクター)

活動計で毎朝自分の睡眠の質を確認するのが趣味です。

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睡眠改善インストラクター竹田著書

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