睡眠障害と書くと自分には関係がないと思う人がほとんどだと思います。 しかし、現代の日本では病院に行かないまでも5人に1人が睡眠に何かしらの問題を抱えていると言われています。
早速ですが、下記の項目で自分に当てはまるものはありますか?
- 1.寝付きが悪い。
- 2.睡眠中に何度も目が醒め、その度に直ぐに寝付けない。
- 3.日中に眠気を感じて寝てしまう、またはウタタ寝や居眠りをする。
- 4.食事(昼食、夕食)の後に眠くなり、寝てしまう。
- 5.会社などで必ず昼寝をする。
- 6.通勤の電車などで居眠りをしてしまう。
- 7.悪い夢ばかりを見る。(毎晩夢を見る)
- 8.目覚めが悪い、寝た気がしない
- 9.日中に疲労感や倦怠感を強く感じる。
1つでも思い当たるものがあれば、立派な?睡眠障害または予備軍かもしれません。
今回は日本で増えている睡眠障害についての解説と、対策についてご紹介いたします。
睡眠障害の種類 20年間眠れない例も
不眠症は5つのタイプに分類されています。
入眠障害
布団に入っても寝付くまでに1時間2時間と掛かってしまう。
なかなか寝付けずに焦って気付いたら夜中の1時2時になっている。
朝型まで眠れずに過ごしてしまった。
熟睡障害
規則正しい生活で、睡眠時間も確保しているが、眠った感じがしない。熟睡感がない。
日中ボーっとしてしまう。
中途覚醒
夜中に必ず目が覚める。その後もう一度寝るまで時間が掛かるか眠れない。
布団の中でゴロゴロしている間に朝になってしまう。寝た気がしない。
早朝覚醒
朝の目覚めが早過ぎる。午前4時頃には目が開いてしまう。 目は覚めているものの頭はボーっとしている。
過眠症
寝ても寝ても眠い。
特別に疲れていなくても、会議や試験の時でもあくびをしたり強烈な眠気に襲われる。
このような睡眠障害の種類があります。
そして、ごくまれにですが下記のような深刻な睡眠障害の人もいます。
ウクライナの男性が、ここ20年間に渡って眠れていないとのこと。カメン-カシルスキーに住むヒョードル・ネステルチュク氏(63)は20年以上前に一度眠ったきり、以来一睡もしていない。これまで何度となく医師に相談したものの、原因が全く分からずに医師も困惑しているという。ウクライナのテレビ局ICTVの取材に応えて、ヒョードル氏は次のように語っている。「最後に寝たのがいつだったか、いつこの不眠が始まったのかもう覚えておりません。ある頃から、夜通し起きていても全く眠くならないことに気づいたんです。」
「今では仕方がないので、何か原因が掴めないかと科学系の雑誌などを読んで夜をしのいでいます。それでしばらくして眼が疲れてきたら本を置いて眠ろうとするんですが、結局眠ることは出来ないんです。最初はこの不眠は一時的な何かかと思っていたんですが、結局そのまま20年間に渡って眠れていません。皆がすやすや眠ってるとき、一人で本にかじりついてるしかないんです。」
ヒョードル氏は現在、昼間は保険会社のエージェントとして働き、夜は読書で明かすという。そしてこれまで医師から様々な不眠解消の処方を施されたが、氏の無眠症状に何ら効果を示してはいない。ヒョードル氏の治療にあたるコシェル医師はこれまで幾度となくヒョードル氏を精密検査し、様々な可能性を吟味してみたものの、一向に彼を眠らせることができないと話している。
「彼がなぜ眠れないのか、全く原因が分かりません。一つの可能性としては、ヒョードル氏が過去に患った疾病と関係があるのではないかと思っています。また、今のところ不眠による健康障害の症状も全く見られていませんので、病気である可能性は低いと思っています。」
出典: http://x51.org/x/05/01/1940.php
睡眠障害の種類別対策法
入眠障害タイプ
- 入浴は38℃位のぬるめのお湯で長くても20分間程
- 入浴直後は体温が上昇し眠りづらいので、就寝直前には入浴しない
- こちらも急激な体温の上昇を防ぐため夜間の運動は避ける
- 寝る2時間までに食事をとる
熟睡障害タイプ
- 日中、夕方に運動をすることを心がけ、昼夜のメリハリをつける
- 休日でも平日と2時間以上の差が出る程寝坊はしない。起床時間を一定に
中途覚醒タイプ
- 眠るときの入眠儀式(歯磨きやトイレ、アロマを焚く等)を一定にする
- 寝室にこだわりを持ち、眠りやすいベッドや環境を造る
- 睡眠時間の長さにこだわらない。眠らなくても大丈夫と考える
早朝覚醒対応の場合
- 別室の居間やリビングへ移動して、うたた寝してみる
- 思い切って起床して、朝日を浴びながらの早朝散歩や軽い体操を行う
過眠症タイプの場合
- 日中の眠気がひどい場合は専門の医師に相談
寝不足な場合でも「よく寝た」と思うだけで効率は上がる
コロラド大学の研究員が「十分に眠った」と人に思い込ませるとどのような効果が得られるかをテストした結果をJournal of Experimental Psychologyの中で発表しました。この研究はプラシーボ効果から名前を取って「プラシーボ睡眠」と研究者たちから呼ばれており、研究結果によると、「十分に眠っていない」という意識は日中のパフォーマンスを低下させる一因になり、もしも快適に1日を過ごしたいならば睡眠不足であってもそれを完全に忘れてしまうのが良い、とのことです。
実験の結果、平均以上のレム睡眠時間を取ったと伝えられた被験者(レム睡眠の割合が25%以上の被験者)はテストで良い結果を残し、平均以下のレム睡眠時間(レム睡眠の割合が20%未満の被験者)しか取れていないと伝えられた被験者たちはテストで平均以下のパフォーマンスしか発揮できませんでした。
出典: http://gigazine.net/news/20140127-believing-slept-well/
眠れなくても深く考えないと思う事が解決の糸口
コロラド大学の実験でも明らかになったよに、意外と睡眠障害というのは気持ち一つで良い方向に転がるのかもしれません。
私も昔は眠れなくて焦ってさらに眠れなくなるという悪循環になっていましたが、最近は睡眠の知識も増え、あまり深く考えて悩んでも事態はもっと深刻になるだけだという事が理解できたので、眠れない場合も朝から「よく寝たー!」と口に出して言うようにしています。
たったこれだけの事ですが、良い効果を感じています。
もちろん、重い睡眠障害の場合は気持ちではどうしようもない場合がありますので、その時は「睡眠障害 病院 ○○(地名)」で検索をし、最寄りの信頼の置ける医師にご相談下さい。
寝付けない、眠れないというのはとても辛い事ですが、今回の記事がお役に立てると幸いです。
竹田 浩一(睡眠改善インストラクター)
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